災害はいつ起きるかわかりません。真夏に停電が起きればエアコンが使えなくなり、真冬に停電が起きれば暖房が止まります。
2019年9月の台風15号では、千葉県を中心に約93万戸が停電し、復旧まで最長で約16日間かかりました。この時、連日の猛暑の中で冷房が使えない状態が続き、熱中症のリスクが高まりました。季節によって命に関わるリスクが変わるため、季節別の備えが必要です。
【夏編】停電時の暑さ・熱中症対策
夏に停電が起きると何が困るか
- エアコン・扇風機が使えなくなる
- 冷蔵庫が止まり食料が傷む
- 断水が重なると水分補給もできなくなる
- 室内でも熱中症になるリスクがある
屋内でじっとしていても、温度と湿度が高ければ熱中症になります。特に高齢者は体温の感覚が鈍く、脱水に気づきにくいので注意が必要です。
夏の暑さ対策グッズ
電気なしで使えるもの:
- 冷感タオル(濡らして振るとひんやりする)
- 瞬間冷却パック(叩くと冷たくなる。首・脇の下に当てる)
- クールネックリング(首元を直接冷やす)
- うちわ・手動式扇風機
- 遮熱シート・サンシェード(窓からの日差しを遮る)
電気があれば使えるもの:
- 充電式扇風機・ハンディファン(事前に充電しておく)
- ポータブル電源(扇風機・冷蔵庫を動かせる)
水分・塩分補給が最重要
- 水や麦茶をこまめに飲む
- 水だけでは塩分が不足するため、塩飴・塩タブレットも備えておく
- トイレを我慢しようとして水分を控えるのは危険
夏の防災リュックに追加しておくもの
- 冷感タオル
- 瞬間冷却パック(数個)
- 経口補水液(熱中症の回復に有効)
- 塩飴・塩タブレット
- ウェットティッシュ(断水時の体の清潔に)
【冬編】停電時の寒さ・低体温症対策
冬に停電が起きると何が困るか
2018年9月の北海道胆振東部地震では、北海道全域でブラックアウトが発生し、丸1日以上の停電が続きました。「これが真冬じゃなくて良かった」という声が多く聞かれましたが、もし真冬だったら、暖房が止まり低体温症や凍死のリスクがありました。
電気ストーブ・ファンヒーター・オイルヒーターは停電すると使えません。ガスや灯油の暖房器具も、点火に電気が必要な場合は使えないことがあります。
冬の寒さ対策グッズ
電気なしで使える暖房器具:
- カセットストーブ(カセットガスボンベで動く。コンパクトで備蓄しやすい)
- 石油ストーブ(電源不要で点火できるタイプ)
- 湯たんぽ
防寒グッズ:
- 使い捨てカイロ(多めに備蓄)
- アルミ保温シート(体温を逃がさない)
- 厚手の靴下・手袋・帽子
- 毛布・寝袋
体を効率よく温めるポイント
首・脇の下・足の付け根など太い血管が通っている部分を重点的に温めると、体全体が効率よく温まります。カイロをこれらの場所に当てると効果的です。
冬の防災リュックに追加しておくもの
- 使い捨てカイロ(10個以上)
- アルミ保温シート
- 厚手の靴下・手袋
- カセットストーブ+ガスボンベ(自宅備蓄用)
【春・秋編】油断しやすい季節の注意点
春と秋は比較的過ごしやすいですが、油断は禁物です。
- 朝晩の気温差が大きい:体温調節ができない高齢者は特に注意
- 台風シーズン(秋):停電が長引くと夜間は冷え込む
- 花粉・感染症シーズン(春):避難所での感染リスクに備えてマスクを多めに備蓄
通年で備えておくもの
季節に関わらず、以下は常に備えておきましょう。
- ポータブル電源(1,000Wh以上):夏は扇風機、冬は電気毛布を動かせる
- カセットコンロ+ガスボンベ:調理だけでなく冬の暖房にも使える
- 水(7日分):夏は熱中症対策にも必須
- 手回し充電ラジオ:情報収集に
まとめ
防災グッズは「通年対応」だけでは不十分です。夏はアルミシートより冷感グッズ、冬はカイロより保温シートと、季節ごとに見直すことが大切です。
年に2回(春と秋)、防災リュックの中身を季節に合わせて入れ替える習慣をつけるだけで、いざという時の困りごとを少しでも減らすことができると思います。
